矯正が短期間の秘密

矯正治療を短期間で終らせるポイントは二つ。
「加える力の加減」と「治療の段取り」
にあります。

実は、歯というのは10gの力でも動きます。
しかし、力を強くかければ、その分たくさん動くという訳ではありません。
歯が動くためには、歯の周りで骨が吸収したり再生したりという反応をスムーズに進めなければいけません。 ところが、力が強すぎると周辺組織の血流が妨げられて、反応がうまく起きなくなり、結果として歯があまり動かなくなってしまうのです。
矯正中、歯の周りでは骨の吸収と再生という反応が起きています
緩やかで持続的な力を加えた方が、歯と周辺組織の血流を妨げないので、歯の移動に必要な骨の吸収と再生が理想的なスピードで行われるため、生物学的に早く歯が移動するのです。

ところが、どうしてもブラケットとワイヤーの間には摩擦が生じます。
従来よく使われている矯正装置(ブラケット)だと、構造上、この摩擦力が結構大きくなるので、かなり強い力を(=余計な力をプラスして)加えないと、動いてくれないことが多かったのです。
また、ワイヤーも安物だと表面が粗く摩擦が大きくなったり、力の変化が大き過ぎて不適切だったりして、やはり、うまく動いてくれません。

この摩擦力をどうやって小さくしながら、適切な矯正力を加えていくかが、実際の治療では大事になります。 アメリカのDamon先生が広めた〔 Light Friction-Light Continuous Force 〕という治療概念です。
そして、その中で生まれたブラケットが、ワイヤーとの間の摩擦をコントロール出来るセルフライゲーションブラケットというものです。
表側矯正のセルフライゲーションブラケット
そこで当クリニックの矯正治療においても、
裏側矯正ではインターアクティブタイプのセルフライゲーションブラケットを、
表側矯正ではセルフライゲーションブラケットの概念を取り入れたジルコニアブラケットを、
それぞれ採用しています。
また、ワイヤーも表面が滑らかでより摩擦の小さいものや、弱い矯正力が持続的に働くようなものを、採用しています。

ちょっと面倒くさい話ですが、お付き合いください。
組織内の末梢毛細血管の動脈圧は、50g弱であることが分かっています。
治療期間を通して、これを超えない力で治療が出来れば、周囲の血流を妨げることが無いので、最もスムーズに反応が起きて理想的な歯の動きになると思います。
しかし臨床において、摩擦はゼロには出来ないし、歯の大きさでも必要な力が異なるので、実際に加える力は100~150g程度の力になります。
過去の研究でも、100~300g程度の力が一番よく動くことが分かっています。
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また、従来は治療を進めるとき、例えばステップ1が終わってからステップ2、そしてステップ3・・・と一段階ずつ進めていくことが普通でした。
でも、段取りを上手くして、その時点で出来ることを同時に行うことが出来れば、より早くステップを上げて治療を進めることが出来ます。 ところが従来のブラケットでは摩擦が大きく、ワイヤーなども緩やかで持続的な力を発揮するものが無く、それをやろうとすると、無理な歪みで歯が変に動いてしまったりしてなかなか出来なかったのです。

でも、摩擦の小さなブラケットと緩やかで持続的な力を発揮できるワイヤーなどができたことで、ステップ1と2を同時に行えるよう段取りを整えることが出来るようになったのです。
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このように、ブラケット&ワイヤーなどを上手く組み合わせて、段取り良く、生物学的に無理のない力を加えるからこそ、歯の周りで骨の吸収と再生がスムーズに起きて、効率的な歯の移動が行われます。
その結果が、より短い期間での矯正治療に結びつくのです。

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